ご存知ですか?「懐石」と「会席」の違い
和食の献立を眺めていると、懐石や会席という言葉を耳にする機会が多いかと思います。どちらも読み方は同じ「かいせき」ですが、その成り立ちや本来の目的には、実は明確な違いがあることをご存知でしょうか。萩の間で本格的な日本料理をお楽しみいただく前に、その背景にある物語を少しだけ紐解いてみたいと思います。
まず、懐石料理とは、もともと茶の湯の席で、お茶を美味しくいただくために提供される軽い食事を指します。修行中の禅僧が空腹を凌ぎ、体を温めるために温めた石を懐に入れたことが語源とされており、一汁三菜を基本とした控えめで静かな食事の形です。
一方で、現在私たちが宴会や祝宴の席で親しんでいるのは、主に会席料理と呼ばれるものです。こちらは俳諧の席などでの連歌の後の宴がルーツとなっており、お酒を嗜みながら料理をゆっくりと楽しむための華やかな献立を指します。
水戸の静かな一角に佇む萩の間では、この会席の心、すなわちお客様同士の親睦を深め、特別な時間を彩るための料理を大切にしています。中庭を眺める穏やかな空間で、全国から厳選した日本酒やワインを片手に、店主が一人で丹精込めて仕込む四季折々の品々に舌鼓を打つ。法要や慶事、あるいは日常のささやかな贅沢として、言葉の由来に思いを馳せながら、萩の間ならではの特別な会席のひとときを心ゆくまでご堪能ください。